溜塗のトチの丼鉢。
丼鉢も、木だと軽いため片手でラクに扱えます。
また保温性が高く実用的です。
溜塗は樹木そのものを活かすため、木地に漆を直接塗り込む製法で、そのため木目がうっすら透けて見えています。
日々使う中で拭き上げられ、艶が出て少しずつ明るい奥行きのある色に育っていきます。
使うたびに感じる優しい感触は、毎日の気取らない食卓にこそ使っていただきたい器です。
size / care
Φ15、h8.5
柔らかいスポンジやアクリルたわしをお使いください。
レンジ、食洗機、乾燥機、研磨剤入りの洗剤はお避けください。
長年お使いいただく中で割れてしまったり漆が薄くなった場合には実費で修理を受けてくださいます。
about 仁城 逸景
逸景さんの工房は、岡山県・井原市にあります。
漆器の制作では木地師と塗師の分業制が一般的な中、これまで一貫してすべての工程を父・義勝さんとお二人で行ってきました。
義勝さんが引退され、逸景さんの活躍に益々期待が高まります。
年のはじめに注文をとり、一年がかりの制作が始まります。
数年かけて乾燥させた木材から無駄なく木取りをし、轆轤を引き、夏の間に漆を3〜4回塗り終えて秋をかけて乾燥し、冬にようやく完成するのです。
器を作れる数には限りがありますが、工房には、つくることと生きることが一体となって樹木とともにある風景があり、それはとても自然なことなんだと染み入るように感じます。