溜塗のトチの木椀。
溜塗は、樹木そのものを活かすため木地に漆を直接塗り込む製法で、そのため木目がうっすら透けて見えています。
日々使う中で拭き上げられ、艶が出て少しずつ明るい奥行きのある色に育っていきます。
また木のうつわは軽くて保温性が高く、実用的。
使うたびに感じる優しい感触は、毎日の気取らない食卓にこそ使っていただきたい器です。
三寸八分は女性、四寸は男性の手に収まりのよい木椀の大きさです。
具だくさんの汁物を召し上がるには、男女限らず四寸をおすすめしています。
また汁椀だけでなく、ご飯茶碗としてもぜひ使ってみてください。
最後の写真は、三寸八分同士、高台の低い木椀と取り合わせてみました。
*手に持った写真は2年使用した物で経年変化のご参考に。
●注文はかけていますが制作が立て込んでいるそうで納期は未定です。
size / care
三寸八分 φ11.5、h6.8(高台1.5cm含む)
四寸 φ12、h8(高台2cm含む)
*三寸八分は、高台の分、高台の低い木椀に比べて容量が浅くなっています。
柔らかいスポンジやアクリルたわしをお使いください。
レンジ、食洗機、乾燥機、研磨剤入りの洗剤はお避けください。
長年お使いいただく中で割れてしまったり漆が薄くなった場合には実費で修理を受けてくださいます。
about 仁城 逸景
逸景さんの工房は、岡山県・井原市にあります。
漆器の制作では木地師と塗師の分業制が一般的な中、これまで一貫してすべての工程を父・義勝さんとお二人で行ってきました。
義勝さんが引退され、逸景さんの活躍に益々期待が高まります。
年のはじめに注文をとり、一年がかりの制作が始まります。
数年かけて乾燥させた木材から無駄なく木取りをし、轆轤を引き、夏の間に漆を3〜4回塗り終えて秋をかけて乾燥し、冬にようやく完成するのです。
器を作れる数には限りがありますが、工房には、つくることと生きることが一体となって樹木とともにある風景があり、それはとても自然なことなんだと染み入るように感じます。