山本祐介さんが2010年に始めたANDADURAは、革を中心に、財布などの小物を展開しています。
ANDADURAといえば革、そんなイメージが世間的には定着していると思うのですが、もちろん私たちにとってもANDADURAといえば革だったわけで、2018年の春くらいに新作のモニターを依頼されたときも喜んでお受けしますよと返し、後日会って渡されたのが今回お披露目するビニロンシリーズのお財布でした。
2016年以降、年に何度かご飯したりお酒を酌み交わしたりするなかで、山本さんの価値観というか、ものづくりへの取り組み方に共感するところが多かったこともあってか、新作の素材が革ではなく化学繊維のビニロンであることに驚くことはなく、ただただ、やっぱり山本さんの作るもの好きだわあと、今日の今日までモニターを続けています。
そんなビニロンシリーズのお披露目をbollardでさせていただくことになりました。
オンラインでも同時発売です! _____に風を通す
〜ANDADURA 新作「ビニロンシリーズ」お披露目〜
会期:2019年10月19日(土)〜11月19日(火) 12〜17時(初日以外は日月火のみ営業)
会場:bollard (岡山県玉野市築港1-10-6)
山本さん在店日:10/19(土)、11/3(日祝)、11/19(火)
2台ほどでしたら店舗前にも停車いただけますが、会期中はできるだけ宇野駅周辺の有料駐車場をご利用ください。近隣店舗前には駐停車なさらないようお願い致します。
※ビニロンシリーズのカタログ冊子に掲載の文章
_____に風を通す
風通しのよい場所にいるとこころもからだも軽くなる。
このシリーズのはじまりは、みんなの使っているお財布が使いやすくなるアイテムを作りたいと考えたことです。
普段使っていないカードを分けお財布を軽くすること。
シーンによって使い分け出来ること。
その思考と手を動かす中で“お財布に風を通す”という言葉が生まれました。
ずっとこのことばを旗に掲げ作ってきましたが、
お財布という言葉を取り
_____に風を通すにしました。
お財布に限らず、みなさんの生活になんらかの風が通れば、と思ったからです。
とっても小さなお財布ですが、たくさんの風が生まれることを願っています。
ANDADURA 山本祐介
Instagramのチャットで雑談するようにインタビューしてみました(bollard 五十嵐)
実験だと思って気軽にいきましょう!
即レスじゃなくてもお互いOKで!
はい。気軽に!少しずつ合間に進んでいくのがいいですね。
いくつかのお店さんは気に入ってくれたんですけど、その時に自分に引き出しがないことに気がついて、それで引き出し増やす意味合いで革にいったって感じです。
なので、カバン作りたくなる素材はずっと探してました。結構フラットに素材を見たいです。どっちも同じようにみてます。
ただナイロンとかビニロン とかそういう素材の方が作っていて、自分らしい素材だな、とは感じます。
_____に風を通す
風通しのよい場所にいるとこころもからだも軽くなる。
このシリーズのはじまりは、みんなの使っているお財布が使いやすくなるアイテムを作りたいと考えたことです。
普段使っていないカードを分けお財布を軽くすること。
シーンによって使い分け出来ること。
その思考と手を動かす中で“お財布に風を通す”という言葉が生まれました。
ずっとこのことばを旗に掲げ作ってきましたが、
お財布という言葉を取り
_____に風を通すにしました。
お財布に限らず、みなさんの生活になんらかの風が通れば、と思ったからです。
とっても小さなお財布ですが、たくさんの風が生まれることを願っています。
革なら革の作り方、ビニロン はビニロン の作り方、それぞれ違っていて、その素材が作りかたを教えてくたり、考えるきっかけをくれたり、いろんな素材を使いたいのはそういう意味もあります。
ポリエステル結構好きです。
(※山本くんのブログにて、恋に落ちた瞬間を詳しく知れます 五十嵐)
恋っていうのは、ずっと何作ろうかって素材の事ばかり考えてしまいますから。
実際に作る段になって、触れていると師匠になります。
なかなか時間がかかるものですね。
「こっちが好きだけどこっち」
みたいに好きなお財布を選んでもらうのが難しく、それをどうにかしたいなと思ってました。
結局容量ってカードですから、まず使わないカードを別にすれば、(持ち運ぶなり、家に置いておくなりして)お財布を好きに選んでもらえるし、お財布自体も使いやすくなります。なので、お財布を一型作るよりも、お財布が使いやすくなるアイテムを作った方が多くの人が幸せなのでは、と思いました。
岡山の工場さんで、金型から起こして作ってます。地味ながら気合い入れて作りました。
それで、できる事がぐっと増えました。今回の新しい革の長財布(LGW11)もPVCの援護射撃があって自由に作れました。
あと、スマホ決済などが普及して、ビニロン の極小タイプのものは、お札の事も前よりは気にせず作りました。
なので、これまでのお財布の使い勝手ってものから、少し自由に作れた気がします。
これまで、お財布単体を作ってきましたが、ひとつ次元を下げて、お財布を使いやすくなるものにチャレンジしました。
高校生の頃に読んだ、「バカドリル」とか「ターゴ輝の頭の体操」なんかが影響しているような気がしてます。
ユーザーも自由になるけど、山本くんも自由になるんだね、おもしろい。
山本くんも言ってるように、ちょうど今ってキャッシュレス社会の夜明け前な感じで、財布の在り方を再考するタイミングなのかな、と。
実際に僕も1年前からビニロンのコンパクトなのを試用してるけど、これとiPhoneあれば事足りるのよね。
それまではファスナーミニ財布使っていたけれど、もう戻れない 笑
人それぞれだろうけど、僕にはこのビニロンはまさに!な仕様です。
定まってないからこそ、こちらから提案が出来ると思いました。そんな機会ってそんなないぞ、と。
あと自分が提案した使い方が数年後に、答え合わせできる幸せ。
合ってるにしろ、間違っているにしろ、自分がどこを見誤ったかが分かる。
自分の想像力を試す、よい機会だなと感じてました。数年後が楽しみです。
それは悪いことじゃなくて、今作っているものが数年後にも同じように使われている可能性が大きいからで、例えば箸を作っている人が自分なりに箸の答えをみつけたら、そこからの大きな進化って起こりにくいよね。
でも、財布って、時代によっても在り方が変わるし、ライフスタイルによっても変わるし。
そういう意味でも、今回のビニロンシリーズを出すことの意義は大きいなあ、と勝手に思ってます。
やはりいろんなものが変化している時なんだと思います。そういう時は型がゆらいでいるので、いろんな事が提案出来るんだと思います。
まぁ、この容量のこういうお財布作ろうって思って、しっかり潜って作るのも好きです。
新しいカタチを作る時に「潜る」ってつい言ってしまいますが、今回もしっかり潜りました。
見た目の気持ち良さと、使い勝手の重なる比率を見つける旅でしたが、
道の駅で偶然見た木っ端を見た時に、ぐっ〜と進みました。
ほんといろんな切り口を自分で(勝手に)決めて作るの好きです。
そうしないと飽きますから。飽きないように違う切り口を見つけているという感じです。
今回はたまたま、そういう作り方になったという実感です。
「あと2割良くなります。」って4回くらい言った覚えがあるので、
最初から考えると、8割くらい良くなっているはずです。たぶん。
山本比は面白いね!
僕自身もものづくりしてきたり、経営してたりするから、潜るってのにはしっくりくるし、同じようなアプローチしてるかなあ。
でも、これって、本当は普通のアプローチなんだと思うのよね。
つくる側じゃなくても当てはまるかなあ、と。
前者はまさに潜ってる最中で、後者は普段からちょいちょい潜ってるんじゃないかなー、と。
ビニロンシリーズは、このどちらにも喜ばれるんじゃないかと今から楽しみです!
ビニロンもPVCもどういう風に潜ったか、結構追体験して貰えるかなと思ってます。
PVCのゴムの付け方、穴の開け方やなんかは、僕が発見して嬉々としている体験を(そのままとは言いませんが)味わってもらえるのかな、と。
ビニロンもほとんどが、一枚の生地を折り返して作っいるワンパーツものですが、これなんかも気がつくと「わっ、これ頭おかしい。」って思う方もいるのでは。
単純にギミックとしてのワンパーツではなく、縫いが内側に隠れて、縫いから壊れることはないですし、綺麗ですし、その辺りも、見てもらえたら嬉しいです。
見にというより、潜りに来てもらえたら嬉しいです。僕もお披露目ですので、あれこれ聞いてみたいです。
最近は使っている人の声や、フィードバックがこんなにも有難いものかと、痛感してます。
アンケートも作って、いろんな声を聞きたいです。
しっかり役に立つものを作りたいと思う、今日この頃です。
オープンだしインタラクティブだし。
今回のお披露目で手にした人たち、みんな巻き込んで商品改良、開発できたら、面白くなるかもですね。
アンケートと言わずに、いきなりLINEグループとか作っちゃって、その中でアンケートとったり、意見交換したりしたら、もっとよくなるんじゃないかなあ。
うん、その方が面白そう!
継続性もあるし。
ほとんど完成ってあたりで聞くので、結構頭に血が上りやすかったりします。
ただ、開発の球数が少ないので、もっと新作作れる状態にしてないと、楽しんでもらえるか、というのもあります。
どこまで声を取り入れるのか、少しずつ進めたい角度です。
なにかよい仕組み作れたらよいなあ。
ちなみに、今回取ろうとしてるアンケートはどんな内容なの??
具体的な項目とかじゃなくて、目的というか。
時間あったら読んでみて!
ちょっと長いけど、ぜひ最後まで!
https://growthhackjournal.com/smooz-interview/
声が聞いてみたいのが、具体的な作り云々よりも、アイテム選定に関わる事です。
何を作るか、っていうところが自分でも凝り固まっているなと思います。例えば、保冷ケースや、レジバッグなんかは良いのが無いです。でもこれを自分が作るかというと、なにかリアリティが無い。
なので、作るアイテムが似たり寄ったりになる。似たり寄ったりになると、考える事も同じような事を考えるようになる。
なので、ここいらで、アイテム選定をもっと自由にしたいという思いがあります。
別に、お財布、カバン以外も作って良いわけですし。ちゃんと役に立つもの作りたいと思うので、それなら、不便に感じる事を聞いてみたいなと思うわけです。
これ必要!って声がしっかりリアリティになれば、作ります。
どうしても、がっつり制作をベースに値付けしているので、余裕が持てる価格にして、しっかりそういう時間を持てるように出来たら
と思い始めました。
前に、価格を伝えた時に安い、っておっしゃってましたが、どの位が程良いと思いますか?ビニロンシリーズは手に取りやすい価格にしたいと思いますが、がっつり制作で値付けすると、なかなか新作タイムが取りにくかったりもしますので。アンケートも取って、カタチにしていくのであれば、価格も考えて
今後の形を作っていきたくもあります。
いいね!
アンケートに答えてやアイデアを求めずに、それを肥やしにして己の中に答えを求める感じ。
価格は、今回山本くんが決めたのがよい頃合いなんじゃないかなと思ってます。
ただ、それが無理ある値付けなのであれば、考え直した方がよいかもだけど。
あとは、化繊と皮革に対する世間の先入観、固定概念のギャップをどうやってかわすかですね。
それを壊してくれるのは、アンケートかと。
価格は今実際に個数作っていますので、もう少しシビアにみてみます。
伝えた価格いい頃合いですよね。機材入れて個数作れる方向も考えてみます。
リリースまではじっくり考えます。
例えば、革はといえば、経年変化、味が出るとなってます。
クロム鞣の味の出ないものも、こういう見方されますよね。
ただ、僕は革は、しっかりとした厚みを持った切りっぱなしで使えるしなやかな素材、という意味合いが強いです。なので、それ程経年変化をうたってはないです。
やはり全体でみると、経年劣化の箇所もありますので、手放しに変化をうたえない性分です。
修理などで使い込んだもの見ると、いいなぁとは思いますが。
そういう意味でビニロンは、適度な張りのある、古くて新しい素材って認識です。
経年変化も好きです。
麻のようなシャリ感もあって、綿っぽさもあって、しかしどの素材とも違います。
ビニロンは適度な張りがあるので、薄地でもしなやかです。
なので、今回のような機能を盛り込めるわけで、適材適所という言葉に尽きる気がしています。
革もすっごく昔はおそらく、経年変化なんて概念がなくて、その厚みとしなやかさを適所に使っていたんだと思います。
その目線でビニロンも見てもらえたら、って思いますが、固定概念は内面化されているので、そう簡単にはいかないですよね。
バットはゴムで作らないし、ホースは木で作らない、っていうすっごく単純な話なんですけどね。
そこには時代というか、そのタイミングでのテクノロジーやライフスタイルも大きく関係してくるよね。
財布に限っていえば、前に話したように明らかにキャッシュレスに向かっているわけで、そういった時代の中では従来の財布とは違う機能性がきっと合うだろうし、そうなると適材も変わってくるだろうしね。
もちろんある部分では一流の作家であり、作り手であり技術者なんだけど、本質的にはなんだろう、とにかく違う職種なのよ 笑
カテゴライズには意味ないから深掘りしなくていいんだけど、そういう意味ではやはり今の人なんだろうなと思います。
ちゃんと世の中の変化に目を向けてるところが!
あと、スマホにお財布機能が集約すると、お財布の価値観が「お財布だから良いものを」っていう見方も、もう少しフラットになるのでは、と想像してます。その上でビニロンでした。
そして面白そうな仕事ですね。iPhoneという箱があって、その中で工夫する、というのが
面白いですね。
お財布が無くなるとか、言われながらもお財布を作ってる自分がなんとも言えない感じしたよ。
今後お財布以外を作るにしろ、これは作っておきたかった、という事ですね。
自分自身が変化するのって結構大変で、世が変化すると自分も変化するっていうのが面白いです。
※2年ちょっと前に京都・ロクさんでの展示をきっかけに山本綾乃さんが綴った冊子
※ウェブページとして掲載しようと最初は思っていたのですが、冊子のアナログな感じがよいので、キャプチャ画像で掲載してみます
※付き合いの始まった2016年頭に書いた紹介文なので、なんとも文体が若い!笑 あえて、当時のまま転載します(bollard 五十嵐)
ANDADURAの山本さんは、革作家というより、小さいけれど遊び心に満ちた、住み心地のよい家をつくる建築家のように私には見えます。
彼のつくる家はどれも味わい深く、住人も楽しそうに住みこなしている。そんなイメージ。
たかが財布、かもしれませんが、そのくらいひとつひとつの形態に山本さんの熱量が注ぎ込まれていると感じます。
今は住宅がメインですが、そのうち美術館も手掛けるかもしれません。なんちゃって。ともあれ、これからつくるものへの広がりも含め、本当に楽しみな作り手のひとり。
そうそう、ANDADURAとの出会いはなかなか運命的です。
以前から財布を愛用していたので、連絡をして益子まで会いに行こうと思っていたところ、なんと山本さんの奥さまがbollardに偶然いらしてくださったのでした。
旦那さんが革の仕事をしていて、しかも益子から岡山に越して来たとおっしゃる、、もしや!と思ったら大当たり。
岡山に越してらしたなんて、もう色々重なりすぎて、キャーキャー喜んでしまいました。
店頭でのビニロンシリーズ全商品の展示販売を中心に、今回のお披露目では下記のことも順次やっていく予定です。
・オンラインでの同時発売
・山本さんへのインタビュー(会期前から順次公開、途中で追加もしたいなあ)
それと、ANDADURAといえば○○、の1つに、山本さんの奥さんである綾乃さんを推しておきます。
本人たちはどういうか分かりませんが、山本祐介さんが一人で始めたANDADURAは、今では山本夫妻二人のANDADURAになっているなあと。
というわけで、2年ちょっと前に京都・ロクさんでの展示をきっかけに綾乃さんが綴った冊子があまりにも面白く、ANDADURAのことを知ってもらうのにモッテコイなので、こちらも順次公開していきますね。
・AYANO REPORT(会期前から順次公開)
主催している自分が一番ワクワクしているかもしれません。。。苦笑
今回の展示では、ビニロンシリーズと併用するのに良いサイズの革のお財布も一緒に並べる予定で、現行品のほか、新作も数点ご用意してお待ちしています。