深海クルーズ

エッセイ
連載もの(仮) #9 深海クルーズ

つい先日、高知県で深海魚「ホテイエソ」が105匹もあがったそうだ。

ホテイエソがどんな魚なのかはニュース元(日経新聞の記事)をご覧いただくとして、深海魚というのは本当に奇妙な姿をしている。

なかなか近づくことのない深海で生きているわけだから、そりゃあ見慣れていないのは当たり前だし、何と言っても深海だ。
「これが深海魚ですよ」と言われたら、どんな姿をしていようとも受け入れる自信はある。

見たことのない形であればあるほど、深海魚としての格があがるのだから、なんとも不思議だ。


昨年末、高松・成田間にLCCが就航し、ここ最近、上京の脚が飛行機になりつつある。

恥ずかしながら飛行機というものが苦手で、できるだけ乗らずに生きてきたということもあり、空港にはまだ数えるほどしか行っていない。

だから気づけたのかもしれないけれど、空港(主に飛行機の周辺)で働く車両は、深海魚と似ている。

その形に抱く感情、その形である理由や進化の過程は、おそらく深海魚のそれらと本質的に同じなんじゃないかな。

特殊な機能を有するため、もしくは、特殊な環境下で働くための形なのかもしれないし、隔絶された環境の中で長いこと形が進化していないだけなのかもしれない。

いずれにせよ、「これが空港で働く車ですよ」と言われたら、見たことのない形をしているだけで、「ああ、これがそうですか」と納得してしまうだろう。


空へ飛び立つ前の、つかの間の深海クルーズ。
次の予定は来月中旬。


4月25日
美味しい近海魚が安く手に入る、宇野港にて