欲しいものはすぐに欲しい

エッセイ
欲しいものはすぐに欲しい

自給自足はなにも食料や衣服、住居に限ったことではない。


私の実家は山に囲まれた集落にあり、家のすぐ裏は山、というような環境で生まれ育った。

敷地内には太い竹(孟宗竹かな)の竹やぶがあり、小学校にあがった頃、父が竹の扱いを教えてくれた。
そして、欲しいものは大体その竹から自分で作った。

竹とんぼ、竹馬、竹弓、他にも沢山作ったと思うが、今すぐに思い出せるのはこれくらい。


大人になった今は、本当に欲しいものができたら、自分で探して吟味し買うことができる。
ただし、買うのは「本当に必要なもの」だけと決めている。

欲しいけれど、必要かと言われればそうでもないかも、というものの場合、簡単に買うわけにはいかない。
それが遊び道具であれば、尚更だ。

 

最近、久々に欲しい遊び道具ができた。
けれども、遊び道具なだけに簡単に買うわけにもいかず。
そういう時は自分で作るにかぎる。

仕事場に転がっていた端材から適当なものを見繕い、とりあえず作ってみる。
一応、仕上げにかるく紙やすりなんかもかけたりして。


今では、この自作の将棋駒が考え事をするときのお供になっている。

プロの打ち方をYoutubeにあがっている動画(*1)で勉強し、ペン回しをするように机上で繰り返し駒を打つ。

思いつきで作ったものではあるが、毎日触っているのもあってか、日に日に愛着が大きくなっている。


この春から住みだした家の裏に竹やぶがある。
立派な黒竹の竹やぶだ。

初めてこの竹やぶを見た時、小学校にあがった頃のことを思い出した。


5月16日
港町なのに魚介よりもタケノコの戴き物が多い宇野港にて


*1 将棋駒の打ち方の動画 https://www.youtube.com/watch?v=XNo3QN5cJ4s