何がきっかけだったか思い出すきっかけ

エッセイ
何がきっかけだったか思い出すきっかけ

20年前の一昨日、F1ドライバーのローランド・ラッツェンバーガー氏がこの世を去り、20年前の昨日、同じくF1ドライバーのアイルトン・セナ氏(以下、敬称略)がこの世を去った。

F1ファン以外にはあまり知られていないことだが、このセナの事故以降、F1レース中のドライバーによる死亡事故は起きていない。


何かのきっかけで、長年続けていたそれまでの習慣を見直すことがある。

医者に「このままだと寿命を縮めますよ」と言われた、
ずっと使っていたものが壊れてしまった、
愛する人に嫌がられた、
などなど、きっかけとなる事象の大小はさまざまだし、きっかけが何だったのか思い出せないことも多い。

いずれにせよ、今までよりも良くなることを期待して、それまでの習慣を捨てる。
「習慣」を「価値観」に置き換えてみると、より分かりやすいかもしれない。


季節外れの話題になってしまうが、今年のはじめ、防寒用のズボン下と肌着をすべて買い替えた。
ここ数年リピートして使っていたハイテク素材のものから、木綿100%のものへの乗り換え。
そのハイテク素材は謳い文句通り、防寒着としては本当に頼りになっていた。

しかしながら、ずっと冬の乾燥肌によるものだと思っていた痒みが実は化学繊維アレルギーによるものだというのが判明して乗り換えることになった。

乗り換えてからは本当に快適で、表に見えるおしゃれ着でもないのに、毎日風呂あがりに一人はしゃいでいる。

自分の体の小さな変化に気づき、それに正直に従うことの大切さ。
そんなことを学ぶよい機会になった。


話を冒頭のF1に戻す。
セナの事故が起きることになった日の前日、セナは恋人に「明日のレースは走りたくない」と伝えていたそうだ。
もしかしたら、いつもと違う何かを感じていたのかもしれない。


毎年この時期になると、大好きだったセナのことを考えている。


5月2日
急なお願いにも関わらずイラスト使用を快諾してくれた片山くんNumber誌に感謝しつつ、観光客で賑わうGWまっただ中の宇野港にて

イラスト:片山高志(www.takashikatayama.com
Number 852 − アイルトン・セナの天才性について。」のために描かれたもの