梱包の美学

[ 連載 ] 物のはなし
梱包の美学
店には日々、様々なところから荷物がやってくる。
各社それぞれ梱包の趣が違って、開梱しているとおもしろい。

天然素材のブランドは梱包にもビニール製品を使わないとか、いぶし銀な問屋はチラシと新聞紙を活用するとか。

中には、発送最速タイムを競うがごとく、小さな品物に巨大なダンボール、間を埋める大量の梱包材と、まるで即興のように梱包された荷物もある。
適切な箱を見繕う時間さえ惜しいのだろうけれど、省いた手間のツケは、結局、運送会社と納品先に回されているだけだったりする。

そんな中、倉庫という日の目を見ない場所に、キラっと光る荷物が届いた。慣れた手付きでくるくると手早く古新聞に包まれ、ダンボールにぴたっと収められたガラスのコップ。

最小限で、無駄がなく、結果、品物にも運送会社にも納品先にも環境にも優しい梱包だった。

でも最適化されているというよりは、もっと自然に意識せずともこなしている印象で、きっと、コップを作ることとコップを梱包することとコップを届けることが、当たり前に一体なのだと思った。

届けることもつくること。
字面にすると寒くなるほど当たり前なことだけれど、目の前にすると、改めて感心してしまう。