革新の確信

[ 連載 ] 物のはなし
革新の確信

「一瞬で野菜をみじん切りに出来る革新的な野菜チョッパー、チョッパーZ!」

イメージ図の通りチョッパーZは架空の商品ですが、テレビの通販番組で派手なリアクションとともに紹介され、「革新的」というキャッチコピーがやたらと登場する、という類の製品を思い浮かべていただければばっちりです。

ハンドルを回すだけで野菜がみじんになる。確かに「楽に手早く野菜を刻みたい」という課題は見事に解決しています。
しかしその機能を実現するには、恐らく、特殊で洗いにくい形状の刃やバネなど、複雑な機構と多くの部品が必要で、洗いづらいし壊れやすい、しかも場所も取る、はず。ということは、結果的に包丁を使っている時には無縁だった新たな課題を生んでしまうわけです。

生活の道具に必要な革新は、ある側面だけの課題を突出して解決するものではなく、そのものに求められる様々な側面の課題を複合的に考え、バランスの良い答えを導き出すことなのだろうと思います。

「革新的ほにゃらら」。その革新は自分にとって本当に革新的かどうか空想してみることは、無駄なものを増やさない良い習慣となるかもしれませんね。